アメリカの医療保険の問題点

受診回数の制限や自己負担の設定も

日本の海外駐在員・留学生保険は、支払い対象となる病気やケガをした場合、かかった医療費に対して限度額までは保険金が全額支払われますが、アメリカの医療保険は1 日当たりの医療費、年間に支払われる医療費、さらには病院で受診できる回数などが制限されている場合があります。日本の海外駐在員・留学生保険は、保険の対象であれば自己負担がありませんが、アメリカの医療保険は一定の自己負担が設定されているので、病院で受診した場合は定められた自己負担額を支払わなければなりません。


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診察を受けたいときに受けられない

生命の危機や重大な後遺障害を残すおそれがあるなどの緊急時以外はPCP(初診担当医)に予約を入れてから診察を受け、そこでPCP が必要と認めた場合のみ、初めて専門医の治療が受けられるシステムになっているため、治療を受けるのに1 週間から2 週間ほど待たされることがあります。


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病院を自由に選択できない

保険は保険会社と契約している医師、病院、ラボ、クリニックなどのネットワークであるHMO およびPPO の提携病院しかカバーしていないことが多くあります。
旅先での急病やケガなどは全額自己負担になったり、地元で評判のいい病院を受診したりできません。HMO PPO で受診できる医療機関は地域的に限定されており、提携していない病院を受診した場合、自己負担率が高くなったり医療サービスが制限されたりするデメリットもあります。


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日本への緊急輸送費用がカバーされていない

現地で救急車を利用した場合、緊急搬送費用は有料になります(料金は距離などで異なりますが一般的に日本円で4 万円~ 8 万円ほどかかります)。
緊急搬送はオプションで加入できるが限度額が低く、自己負担がかなり高くなるケースがあります。
また、日本への搬送費用や万一の場合の遺体移送費用などはカバーされていないことが多く、後で請求書の金額を見て驚くことが少なくありません。


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日本語通訳のサービスがない

病院の紹介や予約の手配、受診時の通訳サービスなどの日本語サービスも行なっていません。アメリカの病院は緊急の場合を除きアポなしでは受診できないため、自分で病院を探し予約しなければなりません。
提携病院以外は予約を拒否されることも少なくありません。日本語通訳サービスがないため、受診時に症状をうまく説明できなかったり、逆に医師の説明内容や専門用語が理解できなかったりして、不安な状態で帰らざるをえないケースも多くあります。


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日本の海外駐在員・留学生保険で安心を確保

海外の医療保険のデメリットをカバーするため、日本の海外駐在員・留学生保険に加入する際は病院の紹介、予約の手配、緊急搬送車の手配、医療通訳サービスなどが付帯されたプランを選択するのが賢明と言えるでしょう。 詳細は、各保険会社に問い合わせてください。


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